トップページへProject Lipsへようこそ。
管理人のあれこれ
プロフィール
仕事一覧
Blog

ノベルゲームとか
ノベルゲーム
同人誌
音楽
通信販売

アマチュアのノベル・アドベンチャーゲームをレビュー
フリーAVGレビュー
シェアAVGレビュー

ありがたい頂き物CG

リンク


AVGレビュー > フリーAVG > Homeless,the Vagabond

作者サイト名:ヲサカナソフト
作者サイトURL:http://wosakana.com/

―生き方を問うロードノベル―

 この作品をプレイして、どうしても浮かんでくるのがニートという言葉。すっかり世に浸透してしまったこの言葉は、 マイナスに見られこそすれ、決してプラスには見られないものだろう。

 主人公である津田啓は放浪演奏者(旅をしながら各地で演奏し、金が投げ込まれるのを期待する)、率直に 言えばニートだ。しかしそんな彼の自由奔放な生活スタイルにいたく共感する小田原塔子と六深菜でバンド 「Homeless,the Vagabond」を結成するのが物語のはじまり。この馴れ初めが実に軽くて愉快。テキストは全編を 通してテンポ感と軽妙さに満ちており、読む者を飽きさせない。

 物語は急転する。啓はある日暴漢に襲われ、その障害として記憶喪失に陥ってしまい、これまでの放浪生活の 全てを忘れてしまうのだ。手元には過去を記し続けてきた日記があり、彼は過去との温度差に悩む。自然と今の 生活に疑問を持つ。この落差(とはいってもテキストのおかげで暗くはならない)がストーリーの幅を重厚にし、 メッセージ性を高めている。塔子と深菜も啓を支えながら、旅の過程で自分自身を直視する。自問自答しながら続けた 演奏旅行の果てには何があるのかと、プレイヤーは感情移入を迫られる。やがて迎えるエンディングには心を 震わされずにはいられない。

 啓自身「自分は社会の歯車として機能していない」と言っている。確固たる目的なく生きている彼らは、社会 全体からすれば何の益もないのだろう。それでも彼らは素晴らしい。無軌道な若者たちの熱さと切なさ、そして カッコよさがほとばしるロードノベルの傑作。第二章が強く待たれる。
●トップページへ