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AVGレビュー > フリーAVG > 魔歌使い

作者サイト名:Ray Official site
作者サイトURL:http://www.ray-software.net/

―悲劇への導き―

 枠物語幻想ノベルと冠された作品。このジャンル名からしてセンスがいいなと思った。そして読んでみたら内容も とてもよかった。

 出版社を経営する主人公の兄妹(開始時にどちらがプレイヤーかを選択)は、アメリカで大ベストセラーとなった 「MUSE」の日本での独占出版権のために渡米し、MUSEの著者である覆面作家「M」と対面する(覆面作家なので Mの詳細については触れない)。Mは主人公に「これから私が語る物語の結末を、悲劇に導いて下さい」と告げ、 本編はここよりはじまる。まさしく枠の内と外、相互のストーリーを楽しむ。今までのフリーAVGにはあまりなかった タイプの物語だろう。

 冷徹な国王、魔歌使いと呼ばれる不死身の吟遊詩人、その番人を命じられた少女が織り成す「物語」は、初め から終わりまで悲劇の香りに満ちている。それでいて素晴らしく端正な文章はシェアでもそうはないレベルの高さ。 ぐいぐいと読め、プレイヤーはクリックする手が止まらないはずだ。本作は前述のとおり悲劇の結末を見るのが 目的。なので選択肢が現れるごとに「来たー! どっちがバッドエンドだ?」と興奮してしまう。不死身の存在だけ あって、魔歌使いは掴み所がなく、面白いというのではないけれど頭から離れないキャラクター。なにもかもを翻弄 するような言葉の連続にはゾクゾクさせられた。そして悲劇に導かれたあとは、さらに驚きの展開が待っている。 こんなレビューを読んでいる暇があったら、早くプレイしてほしい。

 最近のフリーAVGは進化が著しいが、中でも本作は抜群のセンスでプレイヤーを魅了してゆくだろう。どうやら続編が 予定されているらしく、いつになるかはわからないが楽しみだ。

ギリシア神話
 本作でも参考文献として紹介されている、ギリシア神話の入門書です。

イリアス
 こちらはトロイア戦争を扱った作品。叙事詩っていうのは言葉の響きからしていいです。

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