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AVGレビュー > シェアAVG > Death Lori -デス・ロリ-(体験版) 作者サイト名:機械式少女作者サイトURL:http://mechanical-girl.web.infoseek.co.jp/ ―機械的惨劇― 組織同士の抗争を背景に、超人的な能力と比類ない狂気を持つ者たちが殺し合いを繰り広げるという、外見は 普通のバトル系作品。だが他の作品と比べると、プレイヤーは例外なくその徹底振りに舌を巻くだろう。わざわざ 15禁とするだけあって、これでもかと繰り返される緻密な暴力描写は他の追随を許さない。戦闘的残酷ビジュアル ノベルの名は偽りではないといえる。それでいて時折「よくそこまで調べたな」と唸らせる雑学を混ぜてくる。 執筆にあたり相当の取材をしているのだろう。なお、戦闘は力押しばかりではなく頭脳戦もあり、こちらも燃える。単純な単語を連続させる文体が特徴のテキストはいわゆる「荒削りながら勢いのある」もので、中でも台詞回しは ところどころ輝いている。演出にはフラッシュを多用し、見た目がかなり豪華。もうひとつ、作者語りがいきなり 出てくることがある。もちろん普通は良しとされないことだが、面白ければ別にいいじゃないかという感じで、次第に 気にならなくなってしまう。とはいえ、制作者はこれは真似しない方がよさそう。この作品だからOKなのだ。 肝心のシナリオ。現在公開中の体験版では全4章のうちの第1章、再生者の藤石宗吉がメインとなる物語が 読める。ただ力を渇望し力以外に自己の意義を見出せない藤石と、彼を襲う者たちとの信念のぶつかりあいというのが 第1章の大体の流れ。藤石以外にも味方、対立する敵、その他のキャラにも充分文字数を割いて描写し語り尽くす シナリオは、とにかく飽きない。そして他作品と決定的に違うところは、キャラクターを惜しげもなく殺すことだろう。 立ち絵やイベント絵があり、各話で存在感を示したキャラクターが容赦なく死んでいく。他作品だと「こっちの ルートでは死んでるけどあっちのルートでは生きてる」ということがよくあるため、実際のところあまり死んだという気が しないのだが、本作には分岐がまったくないため、本当に死んだ、もう戻ってこないのだと、プレイヤーに強く思わせる。 たいていノベルゲームの作者は、グラフィックまで与えたキャラをあっさり死なそうとは思わない。真似しようと 思ってもそうはできないことだ。「無様に生きて無様に死ね」とは本作のキャッチコピーだが、その死の描写は あまりにも強烈な印象を残している。さて藤石は最後にどうなるのかというと、これはプレイしてのお楽しみ。 総評は、まさにシナリオ一点突破な同人ならではの力作。まだしばらく時間がかかりそうだが、全40話の完成を 願うばかり。ところで人気ライトノベル作家の西尾維新は「無限生成するプログラムのよう」と評されたが、出し惜しみ 一切無用のテキスト、共感しにくいキャラクターが乱舞する本作も、そうした機械的性質に近いと感じた。リンク先に ある「この書き割りっぽさ、嘘っぽさが、80年代以後に生まれた読者にとっては、この上なく『リアル』なのかも しれません」というコメントは、まったく本作にも当てはまる気がする。 ●トップページへ |