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AVGレビュー > シェアAVG > 夏の燈火 作者サイト名:Circle Mebius作者サイトURL:http://circlemebius.sakura.ne.jp/ ―最高の泣きゲーへの挑戦― 泣きゲーとは読んで字のごとく「感動して泣けること」を売りにしているゲームのことだ。KeyのKanonやAir以来 アドベンチャーゲームの一大ジャンルとして築かれてきたこの泣きゲーに、気持ちいいほど真っ向な姿勢で挑んで いるのがCircle Mebiusというサークル。「真の感動を求める人以外は買わないでください(パッケージより)」こんな 文句を堂々と出せるところに男気を感じる。舞台は灯穂奇譚、時の故郷などと同じく、もはや定番ともいえる夏の田舎。すんなりと物語に入れることはこの 時点で約束されている。冒頭は少年時代で、主人公とその妹がメモを頼りに辿り着いた、老婆と少女の住む家に 厄介になるという場面からスタートする。妹と少女は明るく、老婆は真っ当な人。文章は下手に装飾せず平易で、 すらすら読める。キャラクターとテキストがこれほど素直なのも、実はあまりないのでは。村の中には妖怪や神々を 封じ込めた結界が張られている――など、和的な設定も好きな人にはたまらない。灯穂奇譚も近い感じだが、 本作は説明も難しくなくわかりやすい。とにかくあらゆる面でストレスを感じさせないのがいい。 この作品の根幹は「命」「人間」「生きる」というテーマがストレートであること。感動系の基本ともいえる当たり前の 題目を奇をてらうことなく垂直に、まっすぐに投げかける。だから嫌味がないし、キャラクターが誰もが善人なのも あって、最後まで心地よくプレイすることができる。とても手堅く破綻なくまとめあげていて、斬新なものを求める 人には物足りないかもしれないが、事件の勃発から感涙のラストまで、王道かくあるべしというような見事な運びと なっている。 シナリオだけでなく全体がハイクオリティで、同人AVGの入門作品としても最適。ちなみにこの作品、発表当時 「気に入らなければ返金可能」と宣言したことで話題となった。前代未聞の大胆発言だったが、それほどに自分の 作品に自信が持てるというのはクリエイターとして素晴らしいと思う。
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